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上庄司原1・2・4号墳 かみしょうじばら (前橋市富士見町横室279ほか・円墳) |
(いずれも2018.12撮影) |
犬を散歩させていた方と入れ替わりに、横室(よこむろ)古墳公園を訪れた。 公園内には3基の古墳があって、墳丘があるのは1号墳だ。2号墳と4号墳は石室が移設されていて、4号墳石室はどういうわけか屋根付き。2号墳石室は4号墳石室のよこ、東屋の奧で野ざらし状態だ。 下の石室写真は順に1・2・4号墳で、1号墳は鉄柵があるので奧壁までよく写らなかった。石室はすべて両袖型の横穴式石室で、案内板の説明をもとに1号墳から触れたい。石室の写真も同じ順だ。 1号墳は直径24mの円墳(直径の数値は『群馬県古墳総覧2017』から。以下、同)で、陣場・庄司原古墳群では状況がよかったので墳丘も保存してある。赤城山の山石(輝石安山岩)を使った自然石乱石積の横穴式石室で、前庭がある。石室からは人骨や歯も出土した。 2号墳は直径28mの円墳。横穴式石室は6世紀に噴火した二ツ岳(榛名山系)の噴出岩(角閃石安山岩)を使った削り石積。築造後まもなくの崩壊で盗掘されずに、埋葬時の副葬品の全容がわかるという。とりわけ須恵器の子持ち𤭯(はそう)は、東日本では出土例が少ない。𤭯とは須恵器の一器種で、胴部に小さな孔をあけた壺。 4号墳は直径17mの円墳。横穴式石室は2号墳と同じ二ツ岳の角閃石安山岩を使った截石切組積(きりいしきりぐみづみ)だ。目安にする朱線が残る石材もある。県内では同じ前橋市の宝塔山古墳や吉岡町の南下A・E号古墳でも截石切組積を見たが、明るい自然光の下では技術の高さがよくわかる。 横室古墳公園には駐車場、トイレのほか東屋まである。ただ、案内板は汚れが目立ち、トイレはペーパーが補充されず、ドアもずれていて完全に閉まらない。どうやら継続的な維持管理はしていない。 |