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証紙貼付丙二百円券

証紙貼付丙二百円券

●日銀金庫に18年も眠り終戦時に登場。新旧銀行券の切換え時に、証紙貼付で新円の代用に。

昭和20年発行 
寸法:97ミリ×188ミリ

戦争は終わりましたが、生産力の荒廃とインフレの高まりのために、国民生活は戦争に続く苦難にあえいでいました。終戦時には日本銀行券の発行高は急激に増え、千円券まで発行されたほどでした。

戦後のインフレを克服するために昭和21年2月17日、幣原内閣は金融緊急措置令によって預貯金、金銭信託などを封鎖しました。日本銀行券預入令では十円券以上(2月22日の大蔵省令により五円券追加)を3月3日から通用禁止にして、所持している紙幣すべてを3月7日までに金融機関に預け入れさせます。生活資金や事業資金は制限を設けて、新円券での支払いに応じました。
なお、一円券は対象にならなかったので、 現在でも通用します。


しかし、旧円券との引換えをしようにも、新円券の製造が間に合わないので、唐草模様を配した凹版一色刷りの、銀行券証紙4種をいそいで製造しました。
十円、百円、二百円、千円の証紙を旧円券の右肩に貼って、新円券の代用にしたのです。五円の証紙がないのは、五円券ははじめ通用禁止の対象になっていなかったからです。

この丙二百円券は昭和2年の金融恐慌直後に製造されたものです。緊急に発行した片面印刷(裏白)の、乙二百円券があまりに粗悪なので、恐慌が鎮静化したあとで、まともな二百円券を製造しておいたのです。
日本銀行の金庫に保管されたままでしたが、戦争が終わってやっと登場しました。