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42.引越しアラカルト |
1.なぜ、引越しをしたのか 東京郊外、数十年住んだコウダン(日本住宅公団、いまのUR)が居住には相応しくない環境になったからだ。 都心まで1時間弱だが、駅から5分なので利便性が高かった。更新料はなく家賃は一度も上がらなかった。(下がらなかったけど。) 出来たてのコウダンだったので入居は抽選で、2回目で当選したときにはとても嬉しかったのを覚えている。家族の入居が原則だから単身者は対象外で、一定の収入がなければ申し込めなかった。 いま日本には持ち家、賃貸を併せれば世帯数以上の住宅が存在しており、もはやコウダンの存在意義も怪しくなってきた。 まえは空き家など考えられなかったが、「入れないで下さい」シールが何軒もの郵便受けや玄関ドアに貼ってある。 子供たちの声は消え、最近では高齢者を運ぶ救急車のサイレン音が頻繁に聞こえる。室内の壁紙は薄汚れ、フローリングの板がめくり上がりつつある。 コウダンは、入居条件を緩やかにして、単身者や社宅としての利用も認めるようになった。 だが、これらの方々(の一部)は自治会に入らず、地域の行事には参加しない。階段の掃除はしない。そして、ゴミ出しルールを守らない人が増えてきて、ゴミ捨て場は荒れるようになった。いまやコミュニティは崩壊した。 そして、中高層のコウダンは鳩にとって格好の棲み家となる。ベランダに小枝が何本かあったら要注意だ。巣作りの始まりなので、この時点で小枝を撤去すべきだ。巣が出来上がってからでは親鳩は居座ってしまい、しばらくしたら卵を抱いている姿をみなくてはならない。 子鳩が巣立った後はフンだらけ、その後始末を人間さまがやる羽目になる。 また、巣作りでなくても毎日のようにベランダにご出勤だ。コンクリの床だと分かりづらいが、エアコンの室外機のうえには鳩が歩き回ったべた付いた跡がはっきりしている。 そして、またフンの後始末だ。そのためか、上層の階ほど空き部屋が多い。(写真は明け方、コウダン上空を舞う鳩の群れ。) コウダンは自治体の許可を得て一定数を駆除しているようだが、その繁殖力に追いついていない。鳩がいつも羽根を休めている屋上のヒサシはフンで色が変わっている。 カラスは都心ほど存在しておらず時折、鳩を追い払ってくれるので有難い「益鳥」だ。 以上、コミュニティの崩壊と鳩害によって引越したのでありました。 2.引越し業者は… 数十年まえは引越しを頼むとしたら、日本通運、ヤマト、佐川くらいであった。 いまや業者は乱立気味で、テレビでお馴染みさんも多い。 転勤族は会社から費用が出るので、オプションで荷造りまで頼める。だが、自営業者は自宅の引越しは経費にならないので、できるだけ抑えたいところだ。 引越しもネットで情報を集められる時代で、参考になったのは「SUUMO(スーモ)引越し」のサイト。クチコミには払った料金が掲載されていて相場を確認できる。なお、価格コムにも「みんなの引越し」がある。ヤマト、正確にはヤマトホームコンビニエンスに見積もりを頼んだのは、まえもお願いして、印象がよかったからだ。そして、クロネコメンバーズであれば家族引越しはミニカーを頂ける。(見積もりで1個、成約したら5個も…写真はミニカーの引越車。) SUUMOでの情報で武装して、営業マンを迎えた。見積り金額がでたのは、押入れのなかまで確認されたあとだ。4トントラック、作業員4名、平日、近距離、エレベータ無し、保険付きで10万円をかなり下回った。(正規の半額らしい。) 見積もりは数社に頼むのが鉄則らしいが、予定金額の範囲内だったので翌日、お宅にすると回答した。(「ミニカー欲しさに決めたのか」と家人から怒られたけど。) お金さえ出せば引越しも至れり尽くせりのサービスを受けられるが、荷物を運んでもらって終わりではない。引越したあとも必要な費用が待ち構えているもので以下、料金を抑えたい方の参考までに。 利用者の集中する日を避けたら安くなる。 3月〜4月はじめの引越しシーズンは外したほうがよい。 平日だと休日よりは数割安くなる。 大安の日は高く仏滅は安い。 1カ月まえから依頼すれば都合のよい日を選べる。 ほかに料金に関する事柄をいくつか。 無料サービス(標準)といっても、段ボールを自分で用意すれば安くなる。 エレベーター無しの3階以上は割増し料金になる。 同じ市内など近距離は思ったほど安くならない。 むかしは手伝いを何人か頼んで段ボールも自分で用意したものだ。少しくらい傷が付くのは当たり前で、養生などしなかった。引越しの風景は様変わりした。 当日はシーズン外れの平日。ほかの家との掛け持ちではなかったので、近距離なのに一日がかりで丁寧に作業してもらった。 3.ネット関係 いままではauひかり(都市機構デラックス)で、プロバイダを代えたら設定やアドレス変更が面倒だ。ただ、ケーブルTVでもネットを使えるので、営業マンから話しを聞いてみた。 ケーブルTVのメリットは地デジ・衛星あわせて10万円ほど掛かるアンテナを立てなくてよいこと。だが、複数の部屋でテレビをみるにはテレビごとに機器が必要で、料金面を含め乗り換えるメリットはないと判断して結局、auに継続をお願いした。 工事の関係もあるので、1カ月まえにはauへの引越し連絡をした。工事の日、来たのはNTTの作業員だったのには驚かされた。 作業員がいうには、auのモデムなどの機器は自分で接続して欲しいとのこと。ただ、光コンセントは電話コンセントとは形状がちがうので、光ファイバーケーブルの接続方法だけは教えてくれた。 どういう訳なのか、機器が2つある。(ONUとホームゲートウェイで、都市機構デラックスでは1つだったのに。)知り合いのフレッツ光では1つしかないので、聞いたらNTTではとっくに1つになっているらしい。 機器が2つあるため、電源コンセントやケーブルも増えて、パソコン裏のゴチャゴチャ度合いが増した。 接続はうまくいってネットを閲覧できるようになったが、メールができず自らのホームページもDocument not foundだ。工事、技術関係に電話が回されても対応できず、なんと料金関係で話しが通じて開通したのだった。 しかも、いままで使っていた都市機構デラックスよりも、速度が遅い。 ふるいLANケーブルを新しいものに取り替えたり、機器の省エネモードがLANポートの通信速度を制限するらしく、これをオフにしたら使い勝手がよくなった。 4.住所変更手続き <引越し前> 旧住所あての郵便物を新しい住所に配達してもらうのに、郵便局の窓口に転居届を出した。これで1年間に限って転送される。(本人確認あり。) なお、このサービスはポストへの投函、あるいはネットでも申し込めるそうだ。葉書1枚でも無料で転送されるので、日本郵便は赤字体質なわけである。 水道、電気、ガスの公共料金は電話で継続扱いにしてもらったので、口座振替の指定し直しなど面倒な手続きは必要なかった。 電気はスマートメーターになり、アンペアの変更は作業員が来る必要がなく遠隔操作で事が済んだ。このスマートメーターは、くるくる回る円盤がなくデジタル表示、毎月の検針業務も自動化されている優れものだ。 ガスについては、エコジョーズの給湯器にしたからか、「湯ったりエコぷらん」と相俟って、料金が割安になった。 <引越し中> NHKは地上波だけの契約だったが、コウダンには何年も来ない地域スタッフが、事もあろうに引越し当日のお昼休みにきた。衛星放送のアンテナを立てたし、引越しの昂揚感も手伝って衛星契約をしてしまった。(コウダンでは10軒の班で3軒未入居、残り7軒のうちNHKと契約していたのは2軒のみ。) <引越し後> 官公庁方面の住所変更は時間をとって直接、出向かなければならない。だが、担当者が面前で教えてくれるので、書類の提出はスムーズだ。 銀行・証券などの金融機関では郵送で住所変更できる。郵送では印鑑の取扱いに要注意だ。印影が薄かったり、ちがう印鑑だとご丁寧に書き留めで書類を戻されてしまう。 クレジットカードなどもセットしてあれば、時間はかかるけど出向いたほうが1日で用件は済みこの際、印鑑の変更などまとめてお願いするには良い機会だ。ちなみに、みずほ銀行では来店客の多い都内を避けても、待ち時間も含めて2時間ほど掛かった。 つぎに事務所名義の口座について。当方、個人営業で、仕事用には中山編集事務所という屋号の口座を使っている。 みずほ銀行では難なく住所変更できた。困ったのはゆうちょ銀行だ。 振替口座(ほかの銀行の当座預金)は問題なく住所を変更できた。 通常貯金については本部と相談したみたいで、「通常貯金の屋号名義は廃止になった」との理由で個人名義に代えてほしいと。 「みずほではできた」「廃止になったと連絡がない」といっても無理。しかも、原本を個人名義にはするには手続きが面倒らしい。 代わりに「人格なき社団」にするも規約が必要だ。(個人営業なので規約はない。)まあ、振替口座だけにしようかな。 以上、日本郵政グループ関係の住所変更手続きは、郵便物の転送サービスではプラス、屋号名義ではマイナスだった。 ネットショッピングはネットだけに容易に住所変更でき、ビックカメラは併せてお店とネットのポイントを共通化した。 (2016年1月 中山) |