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41.花梨俳句 |
セブンイレブンへの道すがら、幅の広い歩道に花壇が離れ小島のようにいくつかある。花壇といっても花ではなく樹木がほとんどだ。 晩秋の肌寒いある日。花壇の地ベタに落下した、黄色い花梨の実を見つけたが、日が経っているのか変色し始めていた。 見上げたら、花梨の木に実が3つ付いているではないか。ひとつは何とか手が届きそうだ。小ぶりだけど、背伸びして思わず失敬してしまった。 少し油っぽい手触り、でも得も言われぬよい匂いがする。花梨のど飴とはちがう甘い匂いだ。 ライターの宍戸啓一さんにメール。花梨にも触れたら、返信で花梨畑(林?)の話しに2句添えられていた。 名月の 花梨を照らす 畑かな(宍戸) 黒土に 花梨のおます 畑かな(宍戸) お返しに、花梨を手にしたときの句を送付。すると、また宍戸さんから2句。 青空の 背伸びし先に 花梨かな(中山) 花梨の実 ボタり落ちたり 冬迫る(宍戸) 秋空に 背伸びしきれぬ 五十肩(宍戸) 師走になり、あの歩道の上には割れた花梨の実が横たわっていた。 花壇の地ベタに落ちた実は土がクッションになって無事だが、歩道はコンクリなので打ちどころも悪かったのだろうか。 花梨の実 ポタリと落ちて 真っ二つ(中山) (2014年12月 中山) |