ホーム | 編集職人 | つぎのコラム 
24.平均台 97-103
    97(小冊子『平均台』からの通しナンバー)
父親「ここへ来て、やたら○○王子ちゅうのが持て囃されるなあ」
母親「そうね、学生野球じゃ『ハンカチ王子』、ゴルフじゃ『はにかみ王子』…」
子供「じゃあ僕は何て言われるかなあ? クシャーン」
母親「あら風邪引いたの、ほらティッシュ」
父親「家じゃあ『ハナカミ王子』だ」

     98
A「NHKの大河ドラマ、見てる?」
B「ああ、『風林火山』か。毎週見てるさ、それで?」
A「あれは老若男女誰が見てもいいが、パロデイで、あんまりお勧め出来ないのを作ってる奴が居るのよ。面白いっちゅう点では抜群だな」
B「そりゃ耳寄りな話だ。題名だけでも聞かせろよ」
A「不倫母さん」

     99
妻「あなた、旅行の支度もう出来たって、本当?」
夫「おー、完璧・楽勝。このとおりよ」
妻「どれ、ちょいと見せて。いやーだ、このスーツケースったら鍵が掛からないじゃん」
夫「こりゃ、あかんは…じゃなくって開きっ放しだあ」
妻「呆れた。呑気な人」
夫「わっはっは。我ながら実にnon keyだわい」

     100
割りと気の早い男「勤労感謝の日が来ると直きに歳末だな、ぼつぼつ来年の行事でも検討するか」
少し耳の遠い男「行司が拳闘するってか。相撲も変わったからなあ」
気早男「相撲じゃないよ、ま、いいか。そこの『歳時記』、こっちへ持って来てよ」
耳遠男「ん、かなり重たいぞ。しゃあねえな、勤労だあ・歳末だあで使おうてんだな」 
気早男「なんだ、こりゃあ」
耳遠男「ええ『掃除機』よ」
 
     101
彼氏「このケーキ、食うと変になるってか?」
彼女「どうして? 何か書いてあるのかしら」
彼氏「うん、クーヘンと読めるな」
彼女「どれ、なあーんだ。ドイツ語『バウム・クーヘン』よ。お菓子な人」

     102
清掃局「今月から回収廃棄物の分類と処理のルールが変わりますから、注意して下さい」
住 民「あまり難しく言わないでよ。『ごみ』の出し方でしょ」
清掃局「仰るとおりですが、たかが『ごみ』されど『ごみ』。ご協力を是非」
住 民「分かった、合点だ。『ごみ』として、ちゃんと『出すと(ダスト)』しよう」

     103
孫が爺いじの書架から発禁本を取り出して「ねえ婆あば、この本って面白い?」
婆「うーん、分からない。大きくなってから読んでみれば」
孫「そうかあ、爺いじにとっては『大切な本』なんでしょ」
傍で聞いてた爺いじ「ふむふむ、大切…というより『猥褻な本』だな」


出典:『いしい平均』増刊号(かぶや亭坊楽、2007年11月23日)
(2008年1月 石井)