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22.古代蓮栽培記
2007年4月終わりに、行田市にある「古代蓮の里」の売店で古代蓮(行田蓮)の果托(写真1)を200円で求めた。
果托とは蓮の花の真ん中にある花托が、花が散って褐色したもので、5つの種子がこぼれずに残っていた。
(注)行田蓮…1400〜3000年前の蓮で、花弁数の少ない原始的な形態である。昭和46年に焼却場建設の掘削工事をしたところ、水がたまって池となり地中で眠っていた蓮の実が自然に発芽、開花した。
古代蓮(行田蓮)の栽培

5月はじめ
 3つの種子を選んで、発芽を促すために尖っている先端部分を紙ヤスリで削る。さすがの古代蓮は外皮が硬くビクともしないので、剪定用ハサミで少し穴を空ける。
これらを水に浸けておいたら、芽が1週間ほどで出てきた(写真2)。

5月半ば 芽は順調に伸び、根も出てきたので植え付けだ。
用土は荒木田土をホームセンターで購入し、腐葉土と固形油かす2本を砕いて混ぜた。種子を素焼きの5号鉢2つとプラ鉢1つに植え付け、栓ができるプランターに水をはって並べたら、腐葉土が浮き上がって水面が黒くなった(写真3)。
数日すると閉じていた葉が開いたが、周りから枯れ始めた。原因がわからず、肥料のやり過ぎかと思い、用土の3割ほどを肥料無しのものと入れ替える。
だが、プラ鉢に植え付けた葉は枯れ果て、種子も異様な悪臭を発して腐ってしまった。プラ鉢は撤去し、残りは素焼鉢2つだ。
「はじめの葉は水面上に出たら枯れる!」との記事をネットで読み、水面に浮かべるようにしたら枯れは収まった。
古代蓮(行田蓮)の栽培

6月 6月に入ると気温は上昇し、水は温んできた。何となく水面が緑色になって、たくさんの泡が浮かんでいる(写真4)。蓮も呼吸しているのだろうか。汲み置きした水と少しずつ入れ替えるように心がけた。
これからの成長が楽しみだが、種子から育てたので今夏の開花は期待できない。
6月下旬にはボウフラが発生したので、牛乳パックを切って器を作り、掬い取った。そして、メダカを手に入れて、ボウフラを食べてもらう(写真5左下)。

8月 厳しい暑さにも蓮は元気印、浮き葉のほか、3枚の葉が立ち上がって太陽を追いかけている(写真6)。でも、よく見るとこれらは写真右側の植木鉢からのもので、左側は枯れ果ててしまった。
なお、蓮の育て方には決定版がなく皆さん、苦労されているようである。

その後 冬越しした古代蓮を大きなバケツに植え替える。2008年夏は大いに成長したものの、花芽はつかなかった。
2009年こそと思い栽培を続けたが、成長が悪く葉も前年ほど大きくならなかった。
そして、2010年春。蓮根を取り出してみると、ほとんど黒く変色しスカスカになっていた。古代蓮のベランダ栽培は失敗である。わずかに生きている10cmほどを埋め直したが、たぶん駄目でしょう。

(2007年6月・8月、2010年5月 中山)