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幡羅官衙遺跡群 はらかんがいせきぐん
(深谷市東方、熊谷市西別府・国指定)
幡羅官衙遺跡群の湧水祭祀場跡(熊谷市)
(いずれも2019.1撮影)
行人塚古墳を見学したときに、ちかくの江南文化財センターに寄ったら、「幡羅官衙遺跡群」特別展を開催していた。職員の方の話では、「発掘した遺跡は埋め戻したので湯殿神社から周囲を見渡して、雰囲気を味わって下さい」と。

パンフやネットの情報では、7世紀後半から11世紀前半までの遺跡群は2市にまたがり、熊谷市では湧水祭祀場(西別府祭祀遺跡)や古代寺院(西別府廃寺)、深谷市では郡役所に関連した正倉(倉庫)や館(たち)などだ。はじめ混乱したが、深谷市の遺跡は「群」を付けないで、幡羅官衙遺跡と呼んでいる。
昨年2月に、国宝に指定されたのは幡羅官衙遺跡(深谷市)と湧水祭祀場(熊谷市)だ。熊谷市では国指定史跡は宮塚古墳につづき2件目で、深谷市ははじめてだ。

幡羅官衙遺跡群の湯殿神社、川原、発掘された耕作地(深谷市、熊谷市)上武国道と別れる手前の、深谷バイパス沿いには熊谷衛生センターの煙突が2本立っていて、別府沼公園の南西が幡羅官衙遺跡群になる。見学日は正月で、親戚づきあいへの道すがら見た煙突は2本とも煙が出ていた。
現場で遺跡群を確認できたのは、湯殿神社(右上の写真)裏の湧泉だけだ。
訪れた当日は、水は涸れていて湧いていない(大きな写真)が、手書きの小さな看板には「別府沼の水源地 湯殿山の水神様」と記されていた。
川原跡(右中の写真)から石製模造品、土器などが出土している。石製模造品とは剣や櫛などの形に似せて石で作製された祭祀用品で、江南文化財センターの特別展でも展示されていた(大きな写真の左上)。
湯殿神社のまえには、幡羅官衙遺跡が埋もれている耕作地が拡がっていた(右下の写真)。駐車場にもどると、「猫にエサを与えないで」看板のちかくに、何匹もの猫がうろついていた。別府沼を散策したり、ランニングする人たちの姿もあった。
そして、帰りに見た煙突の煙は、1本からしか出ていなかった。
<参考HP>
熊谷デジタルミュージアム>幡羅官衙遺跡群の部屋
深谷市>幡羅遺跡へようこそ