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綿貫観音山古墳 わたぬきかんのんやまこふん
高崎市綿貫町観音山1572・前方後円墳・国指定)
綿貫観音山古墳(高崎市)
(2019.8撮影の水瓶と三人童女を除き、2019.3撮影)
3月の声を聞いて、気温も緩んできた。前をゆく車も綿貫観音山古墳へ。史跡公園として整備され、駐車場やトイレのほか管理事務所がある。お母さんに連れられた子どもには、古墳は格好の遊び場らしい。この古墳は綿貫古墳群では消滅した岩鼻二子山古墳に次ぐ大きさで、見るべき出土品が多い。
上の写真は両袖型横穴式石室のある後円部から前方部を眺め、その下は全景である。

綿貫観音山古墳の石室、三人童女、水瓶(高崎市)横穴式石室は全長12.5mで、壁面は二ツ岳(榛名山)噴出の角閃石安山岩(軽石)の切石を積み上げ、天井石は旧吉井町の牛伏砂岩が用いられている。(二ツ岳の噴火は虚空蔵塚古墳を参考に。牛伏砂岩は安楽寺古墳と同じ境内の異形板碑に使われている。)
石室は崩れていたおかげで盗掘に遭わず、昭和43年の発掘調査では、多くの副葬品が出土した。なかでも銅製水瓶(すいびょう)は秀逸で、朝鮮半島からもたらされたという。
そして、2段築成の前方後円墳は全長97mで、中段の平坦面と墳頂に埴輪の配列があった。有名な三人童女は、ほかの人物埴輪ともども平坦面の石室入口付近に並べられていた。
なお、国指定の古墳はあちこちに案内板があり、水瓶と三人童女はべつの案内板に画像が掲載されていた。後日、群馬県立歴史博物館を見学したら現物が展示され撮影可であった(左上の写真)。

帰りには管理事務所に寄って、スミ一色で軽印刷の資料を頂いた。この稿を起こすにあたりネットで確認していたら、同じものが児童用、先生用の「見学の手引き」として、群馬県のHPにPDFのリンクがはってあった。この古墳は、社会科見学の場所でもあった。
<追記>
2020年9月、綿貫観音山古墳の出土品が国宝に指定され翌月、群馬県立歴史博物館を再訪した。
未盗掘なので、出土品は3千を超える。三人童女の人気は高くて、見学者の多くが足を止めていた。今回は後ろも撮った。頭の線は髪を束ね、背中に吊された2つの丸は鏡ではと職員の方に教えていただいた。
三人童女の後ろ姿(高崎市) (2020.10撮影)
<参考HP>
群馬県>史跡観音山古墳へのご案内 高崎市>観音山古墳