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穴八幡古墳 あなはちまんこふん
(埼玉県小川町増尾・方墳・県指定)
穴八幡古墳 (埼玉県小川町)
(いずれも2022.1撮影)
外秩父の七峰縦走ハイキングコースは小川町駅を起点として、山に入るまえに八幡神社のまえを通る。時折、お年寄りが通りかかる神社には、穴八幡古墳への道を示す木造の標柱が立っていた。
穴八幡古墳が近づくにつれて、墳丘が迫ってきたが、どう見ても円墳である。階段まえの案内板では埼玉県内最大級の方墳で、『新編武蔵風土記稿』によれば江戸初期、寛文年間に(台地の頂部にあるので)陸田にしようとしたら石室が現れたので取り止めたという。

階段を上れば石灯籠と祠を控えさせた、横穴式石室が開口している。よこには台のような低い案内板、少し離れて古い案内板があった。2つの案内板を抜粋すれば、次のようになる。(階段まえを含めて、案内板は3つもある。)
史跡公園に整備するための発掘調査(昭和63年)で、2重の周堀をもった北側辺25.6m、西側辺31.0mの方墳とわかった。墳丘の高さ5.6m、内堀の幅5.7m、外堀3.7〜4.7mで、築造は7世紀後半。
穴八幡古墳 (埼玉県小川町)全長8.2mの石室は2つの鍵を掛けられた鉄柵で守られている。町内の下里で産出された緑泥片岩のスラブなどを組み合わせ、床には玉石が敷かれていた。
奥壁まえに石祠があって、鉄柵のちかくには、日本酒の小瓶がいくつか供えられている。

石室の見学を終え、墳頂に上り裏の墳丘を確認したら、一部に周堀が四角く巡っていて方墳だと納得できた。外堀は短くて、当時のままかはわからないという。実測図は低い案内板から撮って、堀の状況を写した下の写真と向きは同じである。拡大版をこちらでどうぞ。
この穴八幡古墳は県指定だけあって整備の行き届いた、見どころの多い方墳であった。
<参考HP>
小川町>穴八幡古墳