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富岡製糸場 とみおかせいしじょう
(富岡市富岡1-1・世界文化遺産)
富岡製糸場(富岡市)
(企画展2021.10、ほか2006.6撮影)
群馬県立歴史博物館の企画展「発掘された日本列島2021」に、富岡製糸場のコーナーがあった。
平成26年、世界文化遺産になってからの賑わいに距離をおいていたが、企画展を機に以前、撮っていた写真をパソコンから探し出した。「生糸で軍艦を買った」といった大きなテーマではなく、キーストーン(要石)がある洒落たレンガ造りを確認したかった。

明治5年設立の、官営の模範器械製糸場は明治26年に民間に払い下げられ、昭和14年に経営を引き継いだ片倉工業が昭和62年まで操業を続けた。
群馬県のむかしの小学生は社会科見学で、器械の音で話し声が聞こえない富岡製糸場を訪れている。(上毛かるたには「日本で最初の富岡製糸」の1枚があり、工女2人の図柄である。)
時は経ち15年ほどまえ、西上州の荒船山に登ったあとに大人の社会科見学をした。機械には透明ビニールが掛けられ、すでに操業は終えていた。当時は見学料が不要で、駐車場も空いていた。キーストーンの話が記憶に残っているので、案内の方がいたと思う。
なお、片倉工業は操業を止めても製糸場を保存し、平成17年に富岡市に寄贈している。片倉シルク記念館が熊谷市にある。

富岡製糸場の繰糸器ほか(富岡市)最後に、写真の説明を。上の大きな写真は東置繭所(ひがしおきまゆじょ)で、2Fに繭を貯蔵していた。左上がアーチ中央に配置された、キーストーン。装飾も無く、明治五年の年号だけが刻まれている。
右上の写真は繰糸所(そうしじょ)に設置された、昭和の自動操糸機。操業停止時の状態で保存されている。繰糸所はトラス構造で屋根を支え、広い空間には柱が無い。
右下の写真は件の企画展における展示。建物の痕跡や工女が日常使っていた道具などが、地中に眠っているという。
<参考HP>
富岡市>世界遺産 富岡製糸場 片倉工業>片倉シルク記念館