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藤本観音山古墳 ふじもとかんのんやまこふん
足利市藤本町・前方後方墳・国指定)
藤本観音山古墳前方部、出土遺物(足利市)

藤本観音山古墳(足利市)
(いずれも2018.11撮影)
こんもりした木立が目立ち、藤本観音山古墳の場所はすぐにわかる。はじめ北側に回り込んでみると、古墳よこの廃棄物処理場?が目に飛び込んできて前方部しか見えない(上の写真の左下)。ご近所の方に事情を話したら、南側(下の写真、左端は前方部)からのほうがよいと近道も教えて頂いた。足利は親切な人が多い。

案内板によれば調査は平成15年度まで7回も実施されたが、主軸をほぼ東西にとる全長117.8mの前方後方墳だという。前方後方墳としては、前橋八幡山古墳に次ぐ全国5位の大きさだ。
藤本観音山古墳・遺構の分布状況(足利市)築造は出土遺物(上の写真の左上、案内板から撮影)や浅間C軽石の検出によって4世紀中頃だ。南西には同時期の竪穴建物跡(左の図の赤い小さな四角、案内板から撮影)21軒と土坑(どこう)3基も確認されて、国の指定は平成18年だった(市の指定は昭和39年)。

案内板を読み終え階段を登ると、後方部の墳頂には小さな3つの石祠があった。そして、鞍部へ行こうにも藪はまだましで、太いつる性植物が下降を妨げる。この藤本観音山古墳は調査を繰り返した国指定ではないのか、全く整備されていないと呟きながら、植物の繁茂帯を突破した。
鞍部に辿り着き、その低さに気づいた。周囲の耕作地と変わらない高さで、小さな看板には「ここは国指定史跡の古墳です。無許可での掘削は禁じられています」と。どうやら土取りがされたようで、件の廃棄物も塀ごと倒れかかりそうになっていた。
前方部も植物の繁茂は同じなので、周りから眺めるしかなかった。ご近所の方は近々、整備されるようだとも言っていた。皆の期待を裏切らないようにして欲しいものです。
<参考HP>
足利市>藤本観音山古墳